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お米と黒うどんの生産休止に関するご連絡
いつもお世話になっております。
農業を始めた年から細々ですがお米を栽培してまいりました。田植え前に水田の泥をかき混ぜて水漏れを防ぐ「代搔き」という作業があります。この作業機械のドライブハローが壊れました。中古で買って25年も稼働してくれたので、頑張ってくれました。むしろよくここまでもってくれたというべきです。同時に収穫の時のコンバインもかなりガタが来てついに修理をあきらめるときに来ました。この子(コンバイン)も頑張ってくれました。今、機械はかなり高騰しておりまして、同じ機種が5年前に比べて1.5倍くらいになっております。お米部門は単一でみると正直赤字(笑)。今お米が高騰していますが、お米農家さんからすると今までが安すぎて、この値上がりで回復まで行かず、一息つく程度が現状です。
しかし、お米はただお米だけを作っているわけではなく、もみ殻、わら、米ぬかなど副産物がとても役に立ちます。また、水田の一部のお米栽培をお休みして、ナスを作ると、ナスが病気知らずです。水田というのは素晴らしい機能で、連作障害というものをなくしてくれます。(毎年同じ作物を作っていると、そこに病害虫が集まりやすくなることを連作障害といいます。水田は2000年連作しても連作障害がないのです)ですので、単一部門としては赤字でも、畑への循環という面で、トータルとして稲作がのらくら農場でも大変役立ってくれてきました。つくづく農業はトータルですね。
ここで一度、お米栽培をやめてみます。今まで買い支えてくださったお客様には大変申し訳ありません。復活は考えてはおります。やるとするなら、もっと面積を多くやると思います。そして、近隣のお米農家さんに一部の作業委託をするなど、今までとは違うやり方を構築する必要があります。お米の単一部門でも利益が出るように、知恵を絞ってみます。
小麦というのは、お米と同じ機械を使うことができます。そういう理由もあって、小麦栽培を26年してまいりました。収穫は野菜も忙しいし、灼熱の7月中旬なので、毎年コンバインの機械からの熱と太陽の熱の板挟みで、なかなかにハードな仕事でしたが、これも麦わらが畑にとても役立つので、副産物としても有効でした。何より山が青々とする7月に、まさに黄金色という小麦畑の魅力がありました。うどん加工を支えてくださった黒澤製麺さんに、直接小麦を送っていたのですが、法改正でJAなどに小麦の検査をしてもらう過程が必要となりました。これも、コンバインを手放す決断としたことから、栽培をここでやめることにいたしました。
発展的解消という言葉があります。今回はまさにそれでして、野菜はまだまだ馬力を上げていきますし、穀類は一度仕切りなおすという判断です。
今までも、気候変動や野生動物の被害が拡大して、大豆や花豆など、いろんなものに挑戦して、またやめてきました。実は今でも、毎年のように新しい品目に挑戦し、何かを縮小したりやめたりの、細胞の入れ替えは行っております。何かをやめるたびに、次の飛躍がありました。
お米不足の折に、大変申し訳ありません。農家の減少は加速していきます。佐久穂町も11年以内に6割の農家がいなくなることがほぼ確定しています。それを、決して暗い話にしないためには、新しい芽吹きを生む必要があります。その芽は力強いものにしたいものです。のらくら農場は、力強く元気に皆さんに農産物をお届けできるように全力を尽くしたいと思います。
のらくら農場代表 萩原紀行
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